轍 郁摩創作とは命を懸ける遊びである。 デュシャンの絵画、武満の音楽、塚本の短歌、湘子の俳句に 出会ったことが私の幸いである。しかも、虚子・秋桜子・湘子 の師系に繋がる「鷹」に所属し、師の教えの第一は”自分のた めに”である。あらゆる可能性を追求する自由を与えられ、と どまることを最も戒められる。 一ジャンルに一人の師を見いだし、自分のために創作し、し かも師と自分を唸らせる一作を成すこと。それさえ叶えば後は 乾坤独歩、創作という言葉すら忘れ去りたいと思っている。し かし、「まだまだ」と言ってくれる師のいる幸せを痛切に感じ ている。 |