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自註の難しさ

  

昔、上京中に、新宿区百人町の俳句文学館に立ち寄り、自註俳句シリーズの本を立ち読みして何冊かまとめ買いした。

その中の一冊、「平畑静塔集」のあとがきに、上掲の言葉が書かれていた。
私の手元にあるのは、昭和54年 6月 5日発行の第二刷である。

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平畑静塔集

この「自註現代俳句シリーズ」は、著者自選300句に三行書(66字以内)の自註が基本のようで、俳句は歴史的かなづかいであっても、読者の便をはかり全ての漢字に現代かなづかいのルビがふられている。

有名俳人の句集を読み解こうとしても、知らない漢字や言葉が多すぎて難儀するのだが、元の句集一句から湧き立つイメージとは異なるかもしれないが、漢字にルビがあるのも時にはありがたい。(人名の読み方さえ分からないときもある)

ただし、自註を読み、種明かしされてしまうと、折角これまで名句と思っていた句が、汚れ雪のような句に思え、知らなければよかった・・・と、後悔することも多く、痛し痒しではある。自註の難しさを銘せねばなるまい。

芭蕉の「謂応いひおほせて何か有る」とは、俳句だけに限らない。

  書 名:自註現代俳句シリーズ第一期⑤ 平畑静塔集
  発 行:昭和51年12月15日一刷
  定 価:850円
  著 者:平畑静塔
  発行所:社団法人 俳人協会


心に俳句の花束を!

  

日本人なら、これまでに一句や二句、五・七・五音の俳句を作ったことがあるでしょう。

それが名句か否かは別問題・・・

しかし、素敵な俳句を、何かのきっかけにつぶやけたら、もっと人生が豊かになると思いませんか?

たとえば、携帯にお気に入りの俳句を入れて、季節の変化を楽しみましょう。

掲載句は、わたくしの師匠の湘子(しょうし)先生の作。男性です。

初心者なら「涙の湧いてきたりけり」とするところを、下五に「ふたみつぶ」と具体的なイメージを描いたところがさすがです。

里芋畑をわたる秋風を、あなたはご存知ですか?

句集「一個」より。


Memo:再掲(元、土曜日, 6月 13th, 2009)

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SATEN