オオカミが来たと叫び続ける理由は何?

jma20140810a

気象庁の発表する台風情報を見ていると、秒速15m以上の強風域(黄色の円内)とか、秒速25m以上の暴風域(赤の円内)があるが、その範囲があまりにも大きすぎると思われる。

実際に台風が過ぎ去って、大した風もないのに暴風域だとか、ほとんど風も無いのに未だに強風域のようにテレビニュースに、こんな画像が使われるたびに、その信憑性の無さに、気象庁の観測網はいったいどうなっているのだろうと不思議でならない。

実際、同心円で風速を示すことにどんな意味があるのだろう、

本来は、もっと楕円やいびつな円形であっていいはずだし、これまでの観測実績を高性能コンピュータで解析させれば、その範囲が正確で小さな円になるだろう。

赤道周辺で発生した何日も前から、大型台風だ、大型台風だと言い続け、実際は、今年のように、台風圏そのものより、気圧配置によって太平洋から吹き込む風によって、はるか離れたところで集中豪雨が起こっていたりする。

現在の台風情報では、暴風域を円形で示し、この円内は暴風がいつ吹いてもおかしくない範囲とするようだが、この表示に決めた時と現在では、気象予測コンピュータの性能が著しく向上しているはずだから、もっと現実感のあるものに改めないと、誰も信じなくなってしまうだろう。

誰もが求めるのは、正確な情報に他ならない。

地震予知に比較すれば情報量も多く、衛星画像から得られるリアルタイムな映像と地上の気象観測所の情報を駆使すればいいと思うのだが、素人考えだと笑われるだろうか・・・それとも、日本国の気象庁もそんなに人材不足なのかと?


 

参考:気象庁、台風の大きさと強さ

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/typhoon/1-3.html

 

 

更に上る一層楼

agora20140809a

欲窮千里目更上一層楼

(千里の目を窮めんと欲して、更に上る一層楼)

 

2014年8月9日、台風11号の速度が遅く、中心はまだ鹿児島沖だというのに、太平洋の湿った空気が沿岸に吹き込んできている。

午後3時ころから3時間くらい、三重県松坂市あたりが集中豪雨に襲われていたようだ。

 

唐の詩人・王之渙が遠くを見るためには、鸛雀楼に登るしか方法が無かった。しかし、今では何日も前から気象衛星から送られて来る画像を解析して、様々な分析が可能になっている。

しかし、私たちは、本当に一層高い地点に立って、地上を見ることができているのだろうか?

「千里眼」とも言われるほど、先々を見通す知恵がもっとあれば、災害は減って当然なのだが、未だにたった一つの台風で右往左往させられている。式典、地方祭、花火大会、帰省日程、それらの開催・中止決断さえ、寸前まで決まらず、巻き込まれた人々は、早く決めてくれとやきもきしている。

雨の降り方も変わった。これまでに例の無いような集中豪雨が襲い、山間部から土砂が流れ出し、幾筋もの川から集まった水が、一気に河の堤防を越え田畑や道路、人家へと溢れ出している。

何時になったら人間は遠くが見えるようになるのだろう。

否、それは距離だけの遠さではない。100年とは言わないが、せめて30年先を予想して、善かれと思う方法を試みることが何故できないのかと不思議でならない。インターネットの同時中継で、世界の裏の出来事さえ、ほぼリアルタイムで、映画のように見ているのだから。

2、3年先を見て汲汲とするより、本心、人を大切にする道があるはずだし、その道を選ぶことができる力があると信じたい。更に上る一層楼と。

 


参考:ひとりよがりの漢詩紀行

http://www.rinku.zaq.ne.jp/bkcwx505/Kanshipage/KanshiNo4/kanshi52.html

王之渙

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8E%8B%E4%B9%8B%E6%B8%99

 

リアルな地球上の風の動き

t8-20140710m

台風8号 2014.07.10 18:40

地球上の風の動きがリアルタイムで分かるWebサイト。

http://earth.nullschool.net/#current/wind/surface/level/orthographic=133.33,33.33,400

台風8号が、高知沖を過ぎてゆく様子が、光の渦のように動いて実感。

昨日はもっと鮮明な渦になっていたが、それだけ風が弱まった証。

インターネット技術が発達して、リアルタイムに集中豪雨の場所や強風域の場所が分かるのは有り難い。

それでも大災害が防げないのが不思議でならないが、人知を超えた自然環境には成す術が限られているのだから仕方がない。

願わくば、最小の被害により、次なる大災害の備えとなることを・・・