今年4月、オバマ大統領は、2030年代半ばまでに火星軌道に宇宙船を送り、その後、火星への着陸も目指したいと発表した。
かつて、米国のアポロ11号が月面周回軌道に乗り、切り離された機械船「イーグル」が月面に到着したのは、今から45年前。ニール・アームストロング船長が、月面に歴史的な第一歩をしるしたのは、日本時間の1969年7月21日午前11時56分のことだった。
That’s one small step for man, one giant leap for mankind.
米政府は、有人火星探査の実現に向け、NASAの宇宙政策に60億ドルの追加予算を計画している。(追加だからこんなものか、とても足りないはずだ)
NASAは、「Next Giant Leap」キャンペーンを展開中。
火星までの距離、約6000万キロ。月までの約38万キロと比べれば、その困難さが想像できるだろう。もし往復するとしても、約3年は必要と言われている。最も問題なのが、火星の重力であり、着陸するにしても、再発進するにしても、月とは比べ物にならない燃料が必要となる。
火星には、スペースシャトルが地球に帰還する時のような滑走路もないし、機械船が安全に軟着陸できる保障は無いと言えるほど難しい。
(月面着陸でも、予想を越えて飛び過ぎ、有人操作で着陸している)
それでも、夢のために、きっと誰かが火星に向かうだろう。大昔、マゼラン一行が地球一周を果たしたように。全員が帰ってこれるとは思わない。極寒の火星に、初期南極越冬のような滞在が始まり、何年か、何十年かして、その中の一人が地球に還ってくることになるかもしれない。
どうかそれまで、この地球が、無事に人間の住める遊星でありますように。