ウカウカできない終齢幼虫の羽化

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公園近くを帰りながら、ふと朝の風景と違うことに気付いた。

今朝はあれほど伸びていた雑草や下草、小枝などが、公園管理業者によってすっかり刈り取られ、実にさっぱりしているのだ。それはそれで、散髪されたようで気持ちのいいものだが、朝鳴いていたクマゼミ達のことを思うと、少し可哀想な気がしてきた。

梅雨明け宣言はまだ出ていないが、今朝の蝉たちの鳴き声を聞けば、すでに梅雨明けしたのは歴然。明朝、何年もの土中生活を終え、いざ地上へと準備していたクマゼミの終齢幼虫は、穴を抜け出し近くの樹木に辿り着くまで、かなりの距離を歩行しなければいならない。

脱皮して羽化するためには、それなりの高さの縋り付くべき灌木や小枝が必要になる。うまく脱皮できなければ羽を伸ばして乾かすことができず、不自由なまま固まってしまう恐れさえある。

時々、同じ枝先に何匹もの蝉殻(空蝉)がぶら下がっているのは、争いながら脱皮して、朝日を浴びて飛翔していったからに他ならない。

どんな世界にも弱肉強食の掟はあるが、公園の地下でこれまで何年もノンビリして来た幼虫に、はたして明日は来るのだろうか。